【産経新聞社】~スイーツ物語~回顧展でよみがえる復刻ケーキ (2010.11.4 夕刊)

関西の洋菓子のルーツともいえる初代ホテルプラザ製菓料理長・安井寿一さんの回顧展が今月25日から始まる「TEA&SWEETSマルシェ2010」で開かれます。
 取り仕切っているのは、お菓子職人の技術向上などを目的に安井さんが昭和51年に設立した「ヌーベル・パティスリー・デゥ・ジャポン」。

 代表のホテルプラザ神戸製菓顧問の阿部忠二さんをはじめ、シェラトン都ホテル大阪製菓料理長の小川徹朗さん、五感・製造本部長の渡邉登さん、クラウンの佐藤宏さん、ジョエルの木山寛さんら、そうそうたるメンバーが協力。定期的に一流講師を招いて講習会を開くなど、広く洋菓子界に門戸を広げています。

 今回の回顧展の目玉は、当時のケーキを当時の値段で復刻させること。復刻ケーキは各自が試作を重ね、当時の味と形を再現。完成した復刻ケーキは本番中、最高の状態で販売されることになっています。

 ジョエルの木山さんは「クレームランベルセ」を引き受けました。お米やゼラチンを使ったヘルシーなケーキで、「ご飯」をケーキにしてしまった安井さんの発想力に周囲は驚いたそうです。「『おやじ』に見られても恥ずかしくないよう、完成度の高い『ランベルセ』を作りたい」と木山さんは意気込んでいます。

 この回顧展、実は私も一枚かんでいて、「あのケーキをもう一度食べたい」と企画書を書いて理事会に持ち込み実現したのです。彼らの手によってよみがえる安井さんのお菓子、私も早く食べたいと心待ちにしています。(関西スイーツ代表/三坂美代子)