【産経新聞社】~スイーツ物語~「フェスタ」成功の陰に同級生の友情(2010.1.20 朝刊)

 昨年春、新型インフルエンザの影響で神戸のお菓子屋さんは大打撃を受けました。神戸を訪れる観光客が激減、三宮など繁華街も閑散としました。店頭販売だけでなく、風評被害とも言えるギフトなど予約注文のキャンセルが相次ぎました。危機感を持ったレーブドゥシェフの代表取締役で兵庫県洋菓子協会の副会長、佐野靖夫さんは、神戸市や兵庫県に、一日でも早い支援策を打ち出してくれるように要請し続けました。その結果、協会と神戸市が企画したのが「神戸スイーツフェスタ」です。半年後の10月26日、神戸メリケンパークオリエンタルホテルで実現しました。


 ホテルでちょっと優雅に、ケーキが食べ放題で楽しめるうえ、限定スイーツもあるとあって、会場は午前午後で約800人が詰めかけ満員御礼。開始とともに全員一斉に席を立ち、お目当てのスイーツへ一目散。ロールケーキやショートケーキが皿に取られ、あっという間になくなるスイーツが続出しました。

 しかし、開催への道のりは苦難の連続。佐野さんは副会長でボック代表取締役、福原敏晃さんに協力を求めました。福原さんは会場の手配、参加店の調整、なかなか売れないチケットの販売まで、あらゆる努力を惜しみませんでした。中学校の同級生でもある2人の強力タッグにより、イベントは大成功でした。

 2人の店は、垂水区と須磨区に本社を構えるいわば、競合店。にもかかわらず、愛する神戸のため、愛するお菓子のため手を携えて協力し合う良き仲間です。

 ピンクリボン運動にも共に参加しています。福原さんは「仕事は技術だけじゃない。地道な社会貢献をすることで社員を人として育てたい」と語ります。またひとつ困難を乗り越え、2人の友情が深まりました。(関西スイーツ代表/三坂美代子)

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