【産経新聞社】~スイーツ物語~サイト立ち上げの恩人(2009.12.2 朝刊)

はじめまして。今日からエッセーを書かせていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

 まず、私がスイーツの仕事を始めるきっかけから紹介します。約8年前、web制作の仕事をはじめた頃、同僚が人気菓子店「ゾフィー・シャルロッテ」(神戸市東灘区)さんのお仕事を請け負ったものの、約束を失念。私に相談の電話がありました。その日はケーキを作って待っていらしたらしく、当然のことながら、かなりお怒りだったとのこと。「正直に謝れば許して頂けるのでは・・・」とアドバイスするうちに、なぜか私が彼女に代わって謝りに行く羽目になりました。翌日、重い足取りでお店へ。

 そこでは体格の良い、おひげのおじさんが立っていました。オーナーの春名準二さんでした。春名さんはドイツ菓子の第一人者で当時、兵庫県の洋菓子教会の理事も務めていました。恐怖のあまり、正面からお顔を見ることもできぬまま、「本当に申し訳ありませんでした」と謝り倒しました。すると、大きな目を見開いて、私の顔を覗き込んだ春名さんが「あんたが悪いんと違うやん」と。
 それから温かいコーヒーと美味しいケーキ・・・。春名さんの素敵な笑顔に心の芯まで温まり、ドイツのお菓子のお話から最近のインターネット事情まで楽しくおしゃべりをして、ちゃっかりweb制作の仕事も、私が受けることになりました。
 その数年後、私は独立。まずはお世話になったお菓子屋さんを紹介するサイトを作ろうと思い立ち、完成させたのが『関西スイーツ』でした。一般の方をターゲットにした試食会などを思い立つと、春名さんは「へ?、そんなんやるのん?面白そうやな、よっしゃよっしゃ。」と、いつも協力していただき、サイトも人気急上昇に。
 今では月50万から60万件のアクセスがあります。そしてどんどん広がるスイーツの輪。エッセーではそんなサイトをきっかけに広がったスイーツと人のお話を紹介していきたいと思います。(関西スイーツ代表/三坂美代子)
「産経関西」にも掲載中!是非ご覧下さい