【産経新聞社】関西甘味(スイーツ)図鑑(2013.4.13朝刊)

レーブドゥシェフの「玉露のダックワーズ」

ノスタルジックな和素材の情

「酪農家を目指して北海道の牧場で働いていた時、できたての生クリームに出会ったことが人生を変えました」と、オーナーシェフの佐野靖夫さん(59)は振り返る。東京製菓学校を卒業後、銀座の著名店で修業。コンテストで優勝するなど、菓子職人としての頭角を現した。

店名のレーブドゥシェフはフランス語で「シェフの夢」の意。「お菓子が好きな人が幸せでありますように…」という佐野さんの夢が詰まったお菓子があふれ る。昭和56年の開店から30年余、すっかり神戸の人気スイーツブランドとして定着した。「あっさりしている」と定評があるが、味が薄いわけではない。甘 味より、素材そのもののうまみが十分に引き出された状態を言うのだ。

「玉露のダックワーズ」は和素材の息吹を強く感じる菓子だ。玉露パウ ダーがたっぷりと練りこまれたダックワーズに抹茶クリームと大粒の丹波黒豆がサンドされている。ダックワーズの表面はサクッと焼き上げられ、ぷっくりと膨 らんだ生地の水分を閉じ込め、中のふんわり感を保つ。抹茶クリームはバタークリームに宇治の抹茶を加えて作るが、滑らかに仕上げるため、空気をあまり入れ ないのがポイントだ。

一口目から玉露独特の甘いトロンとした香りに魅了され、クリームと生地は口中で即座に一体化すると、ゆっくりととろけ出す。鼻に抜けるのは玉露と抹 茶の周波数の異なる香りの波動だ。間髪を入れず訪れるのは最小限のシロップで煮上げられた丹波黒豆の滋味とかすかな甘味。そして、生地と豆の食感のコント ラストが静なる菓子に動きを与える。 「日本人がおいしいと感じるお菓子を作りたい」と佐野さん。実家の和菓子店で子供の頃から手伝いをし た。和素材に精通しているからこそ、和洋菓子の融合もバランス良く進行。ノスタルジックな和素材の情に触れると、自然に心が解かれ、お菓子を深く味わうこ とができるから不思議だ。

(文と写真「関西スイーツ」代表・三坂美代子)
「玉露のダックワーズ」1個263円、5個入り1418円、10個入り2888円

【もうひとこと】名谷本店、大丸芦屋店でも期間限定で販売されています。

【住  所】大阪市中央区難波5の1の5高島屋大阪店東館B1F
【電  話】06・6647・7030
【営  業】午前10時~午後8時(高島屋大阪店と同じ)
【最寄り駅】大阪市営地下鉄など各線なんば駅

msn産経ニュース 2013.4.14.11:00
産経関西 スイーツ物語 2013.4.14