【産経新聞社】関西甘味(スイーツ)図鑑(2014.9.20 朝刊)

御菓子 吉乃屋松原店の「夢ぽてと」

「夢ぽてと」は1個173円(税込)

ふわふわっと柔らかいお菓子と、ふわふわっとした夢…御菓子司 吉乃屋の「夢ぽてと」

 「御菓子司 吉乃屋」の主人、中西信治さん(43)は幼少期からの夢がかない、平成12年に自分の店を構えた。元々お菓子屋に生まれたが、社会経験を積むことを父に勧められ、大学卒業後はいったん企業に就職。経理に腕をふるった後、満を持して菓子屋へと転身した。

 店に並ぶお菓子の大半は、中西さんが独自に開発した。父から学んだ伝統の味を継承し、顧客のニーズに合わせて次々に進化させたり、季節によって変化させたりした。落ち着いたたたずまいからは想像できないほどのエネルギーに満ち満ちている。

 「子供のころからお菓子が大好きで、お菓子を作る時の何とも言えないおいしそうなにおいがたまらなく好き」と中西さん。今や店一番の人気を誇る「夢ぽてと」は20年、サツマイモ好きの中西さんが渾身の力をこめて開発した自信作だ。

 焼きイモにして実をとり、裏ごしをした徳島県産鳴門金時に北海道産の砂糖と広島産の卵を合わせ、さらに北海道産の生クリームとバターでコクを出し、バニラの香りをつける。この生地をカップに入れ、さらに焼き上げる。

 「焼きイモの焼き加減に一番気を使います」と話す通り、じっくりと低温で焼き上げ、可能な限り甘味を引き出している。

 サツマイモ以外の余分な味を排除するため、和菓子の常識である「あん」も存在しない。材料だけを見るとまるで洋菓子だが、「これは和菓子です」と中西さん。

 ほっこりとしたサツマイモの味は明快だが、ほのかに感じる皮の土由来の香りや、独特の風味もしっかりと生きている。滑らかな生地のシトッとした舌触りも心地よい。

 中西さんは、このお菓子に「夢」の文字を入れた。「夢を持つことは人間にとって大切。どんな夢でも、いつから持ってもいい。ふわふわっと柔らかいお菓子と、ふわふわっとした夢を重ね合わせて名付けました。このお菓子がきっかけとなって、夢を持っていただけたら…」と自らの夢も重ね合わせている。

 (文と写真 「関西スイーツ」代表・三坂美代子)

《もうひとこと》 「生チョコ餅-極み-」や「キャラメルもなか」など、洋菓子テイストの新感覚和菓子も人気です。

御菓子司 吉乃屋(松原店)
【住  所】大阪府松原市阿保1の4の12
【電  話】072・335・0046
【営  業】午前9時~午後7時(水曜定休)
【最寄り駅】近鉄南大阪線河内松原駅

msn産経ニュース

産経関西 スイーツ物語 2014.9.20

2014.9.20