【産経新聞社】大阪甘味(スイーツ)図鑑(2012.11.17朝刊)

ムッシュマキノ 青の記憶の「いつ菓」「どこ菓」

パティシエがつくる和風

大阪府豊中市のロマンチック街道に本店を構える北摂マダム御用達の「ムッシュマキノ」は、府内屈指の有名スイーツブランドとして知られる。牧野真一社長(60)は自社店舗だけでなく、他社の商品開発やブランド設立も手掛けるスイーツプロデューサーだ。

そんな牧野さんが今年10月、阪急百貨店梅田本店にオープンさせた「青の記憶」。コンセプトは「旅するお菓子」だという。
「ある土産物をプロデュースした時に学んだのは、『その地域に優れた土産物が1つだけあってもだめ』ということ。2つ、3つと比較の対象があってこそお客さまの多様なニーズに応えられ、その地域の土産物市場が活気づくんです」

「いつ菓」と「どこ菓」は、パティシエがつくる和菓子のような洋菓子。土産物としても重宝されそうな手軽なギフトボックスだ。

「いつ菓」の「ショコラ」は、アーモンドやクルミ、ヘーゼルナッツなどの豆をココアとブレンドし、チョコレート風味に仕上げている。「フルーツ」はオレン ジピールやレーズン、チェリー、アップル、イチジク、アプリコットなどの果実がたっぷり。どちらも、ナッツやフルーツの重層な味わいが変化に富んだ焼き菓 子で、ホロホロと心地よい歯触りが楽しめる。

「どこ菓」は、見た目こそ和菓子のまんじゅうだが、中身は練乳の風味が効いたミルクあん。「プレーン」には小豆のあん、「抹茶」には白あんが使われている。和三盆糖のほんのり優しい上品な甘さが心に染みる。

「『いつ菓』『どこ菓』が『幸せの青い鳥』になって全国に飛び立つように…」。青の記憶のオープン前日、牧野さんはスタッフにこう声をかけたという。『い つか』『どこか』で出会った記憶だったり、『いつか』『どこか』で巡り合う予感だったり、現在・過去・未来を旅するお菓子にとの思いがこもる。

「青い鳥」は、旅に出て探しても見つからず、実はわが家にいた-というお話だった。『いつ菓』『どこ菓』はそんな家族だんらんに欠かせない、幸せの青い鳥かもしれない。

(文と写真「関西スイーツ」代表・三坂美代子)
「いつ菓」は1箱(6個入り)945円、「どこ菓」は1箱(同)840円

【もうひとこと】
隠し味はお酒。ラム酒、コニャック、そして日本酒を独自にブレンドして使っておられるそうです。

【住  所】大阪市北区角田町8の7、阪急百貨店梅田本店地下1階
【電  話】06・6313・1620
【営  業】午前10時~午後9時(休業日は阪急百貨店梅田本店に準ずる
【最寄り駅】JR大阪駅、阪急・阪神・地下鉄梅田駅

msn産経ニュース 2012.11.17.17:00
産経関西 スイーツ物語 2012.17.10