【産経新聞社】大阪甘味(スイーツ)図鑑(2012.12.8朝刊)

小倉山荘の「かるたあそび」

“ちはやふる”10種類の味

「小倉山荘」は平安の雅(みやび)と小倉百人一首の世界観をブランドコンセプトに掲げる米菓の店だ。鎌倉時代、藤原定家が百人一首の和歌を選んだの が「小倉山荘」だったとされている。社長の山本雄吉さん(62)は京都の文化に魅せられ、心づくしの贈り物を極めるために、このブランドを立ち上げた。 「贈り物はお客さまの大切な絆をつなぐもの。『人の喜びをわが喜び』とする茶の湯の精神を伝え、心あふれる贈り物のお手伝いをしてお客さまに喜んでいただ きたい」と語る。

日本人なら誰もが幼少期から慣れ親しんでいる小倉百人一首は、最もポピュラーな古典文学といえる。その文化的価値と不変 の人気に着目し、米菓のギフトに付加価値をもたらした。今年11月3日の「文化の日」に発売開始したところ、瞬く間に大ヒット商品となった。礼を重んじる 中高年の顧客層が主たるターゲットだったが、今年、百人一首のアニメーションが人気を呼び、このブームに乗って若年層からの大きな支持を得たのだ。

米菓は一口サイズの10種類。宇治抹茶を使用し、香り高い茶の風味をまろやかな甘味で際立たせた「抹茶」や、後からふわりと広がるムラサキイモ独特のうま みを赤ワインのかくし味で引き出した「紫いも」は甘党にはたまらない絶妙のさじ加減だ。米菓独特の香ばしくて懐かしいお米の風味をしっかりと残しつつ、 “パリポリッ”と心地よい食感とともに、それぞれの味の根底に流れる和の心に和まされる。

米菓の袋に印刷されているのは京都の日本画家がオリジナルに描き下ろした小倉百人一首のイラストだ。袋の表には上の句が裏には下の句が記載されている。

「この歌の下の句は?」「あの歌の袋は?」と、ついついかるたのように手にとって読み上げるかのごとく袋を手にする。一首一首詠み合わせながら、昔のロマンに話が弾み、知らず知らずに大きな缶を食べ尽くしかねない。

(文と写真「関西スイーツ」代表・三坂美代子)
「かるたあそび」は115グラム入り525円~、 610グラム入り3150円

【もうひとこと】
来年のお正月は、おじいちゃん、おばあちゃんとお孫さんたちが一緒に楽しみながら召し上がっていただけたらステキですね。

【住  所】大阪府箕面市坊島1の2の53
【電  話】072・725・2000
【営  業】午前10時~午後6時(年末年始を除き無休)
【最寄り駅】阪急宝塚線石橋駅から阪急バス芝西バス停

msn産経ニュース 2012.12.8.15:00
産経関西 スイーツ物語 2012.12.9