【産経新聞社】関西甘味(スイーツ)図鑑(2014.3.1朝刊)

「リュタンのリング」1個180円、1箱5個入り1050円

「リュタンのリング」1個180円、1箱5個入り1050円

アンプリエmishimaの
「リュタンのリング」

パイ生地使用 新しいスイーツ

「目指すのはお菓子の遊園地」。兵庫県加西市のアンプリエmishimaのオーナーシェフ、三島憲通さん(50)は、大人も子供も一歩足を踏み入れるとワァと歓声があがるような店作りを心掛けている。

 加西市は姫路市の北に位置する豊かな自然に囲まれた田園地帯。大阪、神戸から距離はあるが、いつも時代の最先端のお菓子が並ぶ店だ。「子供の頃から食べることが大好きで、特にお菓子には目がなかった。姫路の洋菓子店で食べたカスタードプリンの味が忘れられず、いつの日かお菓子屋になる夢を持ちました」と三島さん。「おいしいお菓子を食べたい!」。その貪欲なお菓子への熱意が店の商品に反映されているのだ。

 「リュタンのリング」は今年1月に発売になったばかりの新商品。パンの一種、デニッシュの生地に似たパイ生地を使用した新しいお菓子を開発した。パイ生地を伸ばし、フランジパーヌ(アーモンドクリームにカスタードを混ぜたもの)を薄く塗り、レーズンやオレンジピール、くるみなどのミックスフルーツを散らし、生地をかぶせてサンドする。それをねじってドーナツのように丸く成形し、シナモンのきいたグラサージュをかけて焼成する。アーモンドクリームだけでは生地が締まり、食感が固くなるが、カスタードクリームが入ることでほどよいしっとり感が得られるのだ。

グラサージュに使用するのは赤砂糖と呼ばれるフランス産のブラウンシュガー。クレームブリュレ(焼きプリン)によく使われるこの砂糖は、色合いも美しく、黒糖の独特のアクがある甘味に薄いフィルターを通したかのようなやさしいうまみとコクを感じる。

 「これこそが日本人が大好きな食感なんです」。研究熱心な三島さんらしい発言は続く。しゅわっとしたかみ応えとともに、芳醇(ほうじゅん)なバターの風味が広がる。ミルク香とくるみのナッツ香が一体となって尾を引くおいしさとなる。

 「新しいスイーツや素材に出合い、おいしそう、面白そう…と思ったらすぐ作ります」。店頭に並べ、お客さんの意見を聞いて迅速かつ柔軟に対応する。地域一番店で20年修業した経験は、それぞれのお客さんとのお菓子を通した会話となり、完成度の高い商品づくりの礎となっている。

(文と写真 「関西スイーツ」代表・三坂美代子)

<もうひとこと>
移転リニューアルして3年目。薪ストーブがステキなカフェもおすすめです。

アンプリエmishima

【住  所】兵庫県加西市北条町横尾1022の2
【電  話】(電)0790・43・8510
【営  業】午前10時~午後7時半(月曜定休)
【最寄り駅】北条鉄道北条町駅



msn産経ニュース 2014.3.1 10:00
産経関西 スイーツ物語 2014.3.2 00:01