【産経新聞社】~スイーツ物語~震災時の結束力 今こそ(2010.1.13 朝刊)

  12日、神戸ポートピアホテルで兵庫県洋菓子協会の新年名刺交換会が開かれました。兵庫県知事、神戸市長をはじめ各界からの来賓を迎え、県下の会員菓子店と製菓材料メーカーなど賛助会員約230人が一堂に会しました。
 会長でエーデルワイス会長の比屋根毅さんが新年のあいさつとして「人々に夢を与えるお菓子の仕事に携わるわれわれが『厳しい、厳しい』と繰り返していても仕方ありません。一丸となって明るい話題を提供できるように前進していきましょう」と語りました。


 阪神大震災の時、兵庫のお菓子屋さんは被災者に炊き出しや自社製品の差し入れに力を尽くしました。被災した仲間の店のために、自社の製造を止めてまで材料や工場を融通し合い、業界の復興に努めました。この結束力が今まさに求められているのかもしれません。

 兵庫県洋菓子協会の会員数は東京都に次いで全国第2位。産業や人口などで比較すれば驚異的な数字です。兵庫県はやはりお菓子屋さんのメッカなのですね。

 会長である比屋根さんは洋菓子界の「顔」と言っても過言ではない存在です。新年会でも比屋根さんにごあいさつしようと、数多くの会員が列をつくる光景が見受けられました。

 今や財界人としての存在感を示している比屋根さんですが、現場から気持ちが離れることはありません。会長としての日課は白衣を着て工場を視察することから始まります。職人に声をかけ、材料や製造工程、仕上がりをチェックします。

 どんなに忙しいスケジュールの日でも可能な限りそれを続けておられるのです。そして、一日の終わりはジムで汗を流します。武道で鍛えたその肉体を70歳を超えた今もキープするため、日々努力を重ねているのだそうです。

 研ぎ澄まされた精神と身体にこそ、多くの人の厚い信頼が宿るのでしょう。
(写真:祝杯をあげる(右から)鴻池祥肇参議院議員、比屋根毅兵庫県洋菓子協会会長、井戸敏三同県知事、(1人おいて)矢田立郎神戸市長)

(関西スイーツ代表/三坂美代子)
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